(病気が正しく診断され、病態が正確に理解されることは、適切な治療が行われる上で非常に重要なことです。 近年の診断技術の進歩は目覚しく、新しい診断法や高精度の診断機器が開発されていますが、そのような中にあっても「診断の中心にあるのが病理」です。

病理業務には、生検や手術により採取された組織や細胞の診断や原因不明のまま亡くなられた方の病因解明を目的とした解剖業務などがあります。 病理医は、内科医や外科医などとは異なり直接患者さんやそのご家族の方々にお会いし、お話をする機会はほとんどありませんが、常に臨床医との間に、迅速且つ正確な診断情報の交換を行うことで臨床医を通して、患者の皆様方に「最良・最適の治療」が提供できるように日々努力しています。

現在当院の病理は、病理医2名、臨床検査技師(細胞診検査士)3名で活動しています。(平成23年:病理組織診断数:2843、細胞診数:3921、術中迅速病理診断数:123、解剖数:2)

スタッフ紹介

内藤 愼二
内藤 愼二
教育研修部長
昭和63年卒
専門・所属等 Cedars Sinai Medical Center , USA留学
University of Cincinnati, USA留学
長崎大学医学部原研試料室助手
長崎大学医学部原研試料室講師
国立嬉野病院研究検査科長
嬉野医療センター臨床検査部長
嬉野医療センター教育研修部長
日本病理学会病理専門医(指導医)
日本臨床細胞学会細胞診専門医(指導医)
日本臨床検査医学会臨床検査管理医
死体解剖資格認定医
日本感染症学会認定ICD(infection control doctor)
臨床研修指導医
病理を担当しております。もし日常の診療の中で病理に関する疑問やお聞きになりたいことがありましたら遠慮なくいつでもご相談下さい。
佐藤 忠司
臨床検査科医師
昭和52年卒
田場 充
田場 充
臨床検査科医師
平成15年卒
専門・所属等 死体解剖資格認定
臨床検査管理医認定
日本感染症学会認定
ICD(infection control doctor)
病理のことならば何でもお気軽にご相談ください。

活動状況

病理学Pathologyは“病の理”を知る学問を意味し、医学の中でも最も歴史のある古い学問の一つです。そのため病理医は欧米ではDoctor’s doctorと呼ばれ、医師を指導・教育する医師として評価されています。従来、日本では病理医の多くは大学の病理学教室に在籍し、病理診断を行いながら、Pathogenesis(病因)に関する研究を行ってきましたが、近年は、病理診断を目的に市中一般病院にも在籍するようになり、そのためこのような病理の持つ研究・教育といった学問的一面も、大学に限ったものではなくなりました。

当院においても、日常の病理診断に加え、教育の面では定期的に臨床・病理検討会(CPC)や画像・組織検討会等を開催し、臨床データと病理所見との比較検討を行いながら臨床診断、病理・細胞診断の精度(質)の向上に努めています。また、研究面では手術や生検により摘出された患部の臓器に対し、分子病理学的・分子生物学的テクニックを用いて病態解明を行うなどの活動も行っています。

このような教育や研究活動を行い、最新の医学知識や情報を院内スタッフに提供する目的は、院内スタッフの医療従事者、医学研究者としての自覚と責任感を高めることで、患者の皆様方が受けられる医療の質を向上させることにあります。また、これら検討会やセミナーは、地域の開業医や医師会の先生方にも開放されており、地域連携の一環として、更には地域の先生方の勉強の場としても活用していただき、地域医療機関が一体となって地域の人々に最良の医療を提供する、そのような目的も含まれています。

当嬉野医療センター病理診断科は、現状の診断レベルに満足することなく、更なる診断のレベルアップを目指し日々努力を続けています。

どうぞ皆様、安心して嬉野医療センターに御来院下さい。質の高い検査と診断で皆様に最良の医療をご提供いたします。

研究内容

  1. 転写因子ets-1を介した細胞遊走、癌細胞浸潤のメカニズムの解明
  2. EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌における遺伝子変異部位と組織亜型の治療効果への影響
  3. 心内膜心筋生検(EMB)からの組織情報抽出と病理診断精度向上に関する研究
  4. 感染性滑膜術中標本における細菌感染の有無の評価に関する研究

研究関連論文

  1. Shinji Naito,et al. Ets-1 upregulates Matrix Metalloproteinase-1 expression through extracellular matrix adhesion in vascular endothelial cells Biochem Bioph Res Co 291:130-138, 2002.
  2. Shinji Naito,et al. Ets-1 is an early response gene activated by endothelin-1 and platelet-derived growth factor-BB in vascular smooth muscle cells. Am J Physiol, C472-480, 1998.
  3. Shinji Naito,et al. Autocrine/paracrine involvement of parathyroid hormone-related peptide in vascular leiomyoma Endocr J 49:335-341, 2002
  4. Shinji Naito,et al. Overexpression of Ets-1 transcription factor in angiosarcoma of the skin. Pathol Res Prac, 196: 103-109, 2000.
  5. Shinji Naito, et al. Immunohistochemical examination of mucinous cystadenoma of the testis Pathol Int 54:355-359, 2004
  6. hinji Naito, et al. Femoral head necrosis and osteopenia in stroke-prone spontaneously hypertensive rats(SHRSPs) Bone 14:745-753, 1993
  7. Masako Yasuda , Shinji Naito,et al. Differential roles of ICAM-1 and E-selectin in polymorphonuclear leukocyte-induced angiogenesis. Am J Physiol Cell Physiol. 282:C917-925, 2002
  8. Toshiyuki Nakayama, Shinji Naito,et al. Expression of the ets-1 proto-oncogene in human colorectal carcinoma Mod Pathol 14:415-422, 2001
  9. Gaspar Kitange, Shinji Naito,et al. Ets-1 transcription Factor Mediated Urokinase-Type Plasminogen Activator Expression and Invasion in Glioma Cells Stimulated by Serum and bFGF. Lab Invest 79: 407-416, 1999.
  10. Masahiro Ito, Shinji Naito,et al. Expression of the ets-1 transcription factor in relation to angiogenesis in the healing process of gastric ulcer. Biochem Bioph Res Co 246: 123-127, 1998.
  11. Anna Hultgardh-Nilsson, Shinji Naito,et al. Regulated expression of the ets-1 transcription factor in vascular smooth muscle cells in vivo and in vitro. Circ Res, 78: 589-595, 1996.
  12. Jianwei Wang, Shinji Naito,et al. Targeted Overexpression of IGF-I Evokes Distinct Patterns of Organ Remodeling in Smooth Muscle Cell Tissue Beds of Transgenic Mice. J. clin invest, vol 100, Number 6, 1425-1439, 1997.
  13. Mitsuru Taba, Shinji Naito, et al. Differential expression of vascular endothelial growth factor (VEGF) and VEGF receptors in the sequence of hyperplastic polyp, serrated adenoma and adenocarcinoma of colorectum Acta Med. Nagasaki 53:85-88, 2009.
  14. Yuko Yoshihiro, Shinji Naito, et al. A case of Serratia granuloma in the soft tissue around the left kidney : A role of PTHrP in the formation of Serratia granuloma J Infect Chemother 16:126-130, 2010.
  15. Nobuaki Takahashi, Shinji Naito, Yasuo Mori, et al.. TRPA1 underlines a sensing mechanism for O2. Nat Chem Biol. 7:701-711, 2011.